【バージョン2.79b用】
このアドオンは少し古いものだけど、まだまだ現役。以前のブログで掲載していたものだけど、新しいブログにしたときに移すのを忘れていたので、内容を少し濃くして再掲。
このアドオンはIES形式のファイルをBlenderにインポートするためのもの。IES形式のデータとは、照明の光り方(配光データ)を記録したデータファイルで、通常、照明機器メーカーで計測したものが公開されています(すべてのメーカーが公開しているわけではないですが)。そのデータをインポートして、その配光データをCyclesでレンダリングする際に再現してくれます。Blenderで使ったときの結果は下図の通り。光り方という意味が分かってもらえたかな?
★入手方法
[GARD]
★使い方
アドオンを有効にした後、「File」メニューの「Import」の最後に「IES Lamp Data(.ies)」というメニューが追加されているのでクリックします。
ファイルブラウザが開くので、IESファイルを選択しますが、ウィンドウの左下に「Import IES to Cycles」というパネルがあります。パネルの説明を以下にしますが、基本的には色温度のみ好きな温度に設定して、他はデフォルトのままで良いと思います。
- Generate Rig・・・オンにすると、ランプの部分に光り方に似せて作った参照用のオブジェクトを作ります(下図)。また、ランプの色と強さは通常のランプのプロパティのところで変更することが出来なくなり、専用のパネルで行うようになります。これについては後で説明します。
- Strength・・・ランプの強さ。
- Convert to・・・デフォルトの「Vector Curves」のままで良いです。「PNG」、「EXP」はランプの光り方をPNGファイルまたはEXPファイルとして一時保存して、それをレンダリング時に使うことになります。そのため、これを選択したときはIESデータ読み込みの際に保存先を聞いてきます。
- Color Temperature・・・ランプの色温度です。メニューから選択します。
IESデータを読み込むと、3Dカーソルの位置にランプと参照用のオブジェクト(Rig選択時)が作成されます。このとき、ランプを選択してノードエディタを見ると、下図のようなノードが組まれています。これを見て分かるようにランプのStrengthとColorは紫色になっており、他のプロパティを参照しているので、ここでいくら変えても変わりません。これは読み込む際に「Generate Rig」を選択していなければ変更できます。
「Generate Rig」をオンにしたときの変更方法は、ランプオブジェクトの部分にある参照用のオブジェクトを選択した状態で、「N」キーを押してプロパティ・シェルフを表示させます。そこに「Lamp Properties」パネルがあるので、ランプの強さとランプが発する光の色を変更することができます。
★感想
IESデータによる照明は最初のサンプルの画像のように光り方(光の模様)を再現できるので便利です。IESデータは外部のビューアで光り方を見ることもできます。また、自分で作ることもできるので、何も照明メーカのデータを探し回る必要もありません。自分で作るにはIES Generator 3を使います。
ダウンロードして解凍すると、Exeファイルがひとつだけあります。これを起動します。
起動して、左側のグラフの赤いラインをドラッグして配光の形を作っていきます。同時にグラフの下のプロパティを調整して配光を完成させたら、「Save」ボタンを押してIESファイルを出力します。
アドオンの入手先のスレッドには、作者の方がIESデータを入手できるリンクを貼っていてくれます。これらからIESデータを入手することもできます。国内の入手可能なサイトは以下の通りです。
- 岩崎電機株式会社
- (株)遠藤照明(各商品の「配光」アイコンをクリック)
- トキ・コーポレーション株式会社
- オーデリック株式会社
なお、IESデータによる照明は必ずしも必要なわけではないと思ってます。シーンによっては、Blender付属のSpot Lampでやった方が扱いやすい場合があります。
★バージョン情報
この記事を書いたときのバージョン;
Blender:2.72b
アドオン:0.8